2022.10.12

MONO運営事務局

花は世につれ

花は世につれ

バラの花に託して

週末天気の良い日にブラブラと散歩することがありますが、バラの咲く季節になると近所の公園のバラ園をのぞきに行きます。ここは市民ボランティアの人たちが管理しているそうですが、毎年色とりどりの花を咲かせてくれます。

バラの花を見ていると、マイク真木さんの曲「バラが咲いた」(作詞・作曲: 浜口庫之助)が頭の中に流れてくるのは私の世代だけでしょうか。
「〽バラが咲いた バラが咲いた まっかなバラが~」
子供のころからずっと頭の中に残っている曲です。

そして加藤登紀子さんの「百万本のバラ」(作詞 : A. Voznesensky 訳詞: 加藤登紀子)。こちらはもう少し大人に近づいたころに聴いた曲ですね。
「〽百万本のバラの花を あなたにあなたにあなたにあげる」
ロマンチックな歌ですが、ロマンを通り越した年になってしまった今となっては、バラを百万本購入したらいくらかかるのだろう、そんなに大量のバラを保管するにはどのくらいの広さが必要なのだろう、とか、
「〽窓から見える広場を真っ赤なバラで埋め尽くして」というくらいだからとてつもなく大きな倉庫が必要かな、などと無粋なことを考えてしまいます。百万本というわけにはいかなくても大きなバラの花束を贈るチャンスがあれば一度やってみたいものです。

周りの人には聞こえないように鼻歌を歌いながらバラ園を散策していると、いろんな色、いろんなサイズのバラに出会えます。なんだかこちらを向いて、「君のために咲いたんだ」と言ってくれてる感じが愛らしい。

「〽小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから」槇原敬之さんとSMAPの「世界に一つだけの花」(作詞作曲:槇原敬之 )。
そう、大きく開花して太陽光をいっぱい浴びている花もあれば、他の花の影に隠れてひっそりとでも健気に咲いている花もあります。一つとして同じものはない。それが本物の自然と触れ合える喜びでしょうか。

100万本のバラを贈られた人の笑顔はどんなに素晴らしかったのかな、と思いながら気づいたことは、1本のバラを前にした人の笑顔もまた素晴らしい。目の前のバラがパッと開花したかのように笑顔がひろがるんですね。

その笑顔が見たかったのです。

私の 頭にはまた曲が流れてきました。
「〽バラが咲いた バラが咲いた 僕の心に いつまでも散らない まっかなバラが」